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高校卒業までに見て欲しい!日本の青春映画4選

Column #Drama

2018/03/02

若者にとって、高校の3年間が最も大事な時期のひとつだと日本ではよく言われている。ティーンエイジャーは、高校時代の様々な過程を通して、大きな責任を背負う大人として生きていく道を切り拓き始めるのだ。それと同時にこの貴重な3年間でできるだけの思い出作りをしようというのだから、忙しいったらありゃしない。

あなたが世界のどこにいようと、ここで紹介する映画を見れば、日本ではどのような高校生活が送られていて、その終わりが何を意味するのか、そしてなぜ高校時代が人格の形成においてこんなにも大事だとされるのかが分かるだろう。笑いあり涙ありの映画を通じて、高校を卒業して未知の世界に踏み出した後も夢を見続けてもいいのだという確信を持てるかもしれない。

 1. 映画 ビリギャル

2015年に公開された本映画は、同じ年に公開された数々の人気映画の中でも最も爽快感が味わえるものではないだろうか。世の中のプレッシャーに負けそうになった時に是非見てほしい。

これは実話に基づいた作品だ。高校2年生の工藤さやかは学業に興味がなく、金髪にミニスカートという風貌。周りには「天然キャラ」だと見なされてきたが、あまり気にしていなかった。それがある日、自分の学力が小学4年生レベルだと告げられ、あまりの低レベルさにショックを受ける。そこで母親の勧めで塾に通うことに。その結果、成績が上がっただけでなく、日本の名門大学・慶応大学合格を成し遂げるのだ!

さやかはちょっと変わった指導方法を用いる塾講師の坪田義孝と二人三脚で競争の激しい受験戦争に挑み、努力と根気さえあれば、不可能を可能にできることを証明する。

キャスト:有村架純、伊藤淳史 監督:土井裕泰

2. ReLIFE リライフ

同名の漫画シリーズが元になっているこの青春物語。ストーリーのコンセプト自体は新しいわけではないかもしれないが、だからと言って楽しめないわけでは決してない。

27歳の主人公、海崎新太は、3ヶ月だけ働いた職場を辞め、無職。小遣い稼ぎと新しいことへの挑戦として「リライフ検証実験」に参加することに決める。この実験で海崎は10歳若く見えるようになる薬を飲んでしまい、高校3年生として高校に通い始めるのだが、そこで同級生の日代千鶴に恋をする。海崎は典型的な高校生らしく、激しいアップダウンのある生活を送る。

この映画は、ふたつの単純だが重要な質問を我々に投げかけている。もう一度人生をやり直せる機会があったら、やり直すか。そして前回とはどう違ったやり方でやり直すのか、と。

キャスト:中川大志、平祐奈 監督:古澤健

3. ハナミズキ

1996年から2006年の10年間を捉えたこのロマンティック・ドラマは、主人公の平沢紗枝の高校生から大人への成長過程を追う。一青窈の代表曲「ハナミズキ」の歌詞にインスピレーションを受けたこのストーリーは、若者の間の愛とは何か、大人として生きるとはどういうことか、遠距離恋愛の難しさはどうしたら乗り越えられるのかなどを追求する。

高校生の紗枝は、家業を継ごうと思っている漁師の息子・木内康平と偶然、電車で出会う。その出会いが恋愛へと発展するのだが、紆余曲折を経て失恋への道をたどる。高校卒業後、紗枝は上京することに決め、康平は北海道に残る。様々な経験や困惑に直面するなか、大人になる過程でふたりは恋人ではなくなるが、その絆が途切れたのではなかった。。

家族の死、海外での勤務、婚約など、人生のさまざまな出来事や試練を経験するなか、そのすべてを通して、お互いに対する愛情と尊敬の念を抱き続けていた。

この映画は若い頃の恋愛や、大人になっても自分の気持ちに忠実に生きることの難しさを描いている。そして人生は、思いもよらない方法で人と人を引き合わせる力があるということも。

キャスト:新垣結衣、生田斗真 監督:土井裕泰

4. チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜

アメリカ映画『チアーズ!』の日本版とも言えるこの映画は、意外な高校生グループが目覚ましい功績を残す実話に基づいて作られた。主人公の友永ひかりは、中学の頃から想い続けている山下孝介を振り向かせようと、福井中央高校に入学して間も無く、チアダンス部へ入部する。ひかりは同部で玉置彩乃や紀藤唯と仲良くなり、一丸となって部活の顧問、早乙女薫子の厳しい指導に耐える。

そのハードな練習は、福井中央高校のチアダンス部が本場アメリカのチアダンス選手権大会に出場したことによって報われる。若さに伴うワクワク感、高校生の友情、そして努力は報われるということを本作品はうまく伝えている。日本では高校生にとって部活動がどれだけ大きな存在であるかもよく分かる映画だ。

キャスト:広瀬すず、天海祐希 監督:河合勇人

この4本の映画を通じて、期待にどう応えるか、人間関係、恋愛と喪失、目標の達成など、大人が生きていく上で背負っていくプレッシャーを、もっと単純な形でかもしれないが、高校生も感じていることがお分かりだろう。そして高校時代に学ぶのは教室で教わることだけではないこともはっきりと描かれている。高校時代はとても大事な時期なのは間違いないし、高校生たちはその時期が人生のすべてだと感じるかもしれない。だが、それは人生のひとつの小さな通過点でしかないというのも事実だ。

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